ワインの味わいや香りなどに影響するさまざまな要素のうち,最も基本となるのが原料となるブドウの品種。
- 赤ワイン用ブドウ品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン (Cabernet Sauvignon)
- カベルネ・フラン (Cabernet Franc)
- ガメイ (Gamay)
- カリニャン (Cariena)
- ガルナッチャ (Garnacha) またはグルナッシュ (Grenache)
- カルメネール (Car,emere)
- コンコード (Concord)
- サペラヴィ (Saperavi)
- サンジョヴェーゼ (Sangiovese)
- サンソー
- シラー(シラーズ)(Shrah / Shiraz)
- ジンファンデル (Zinfandel)
- テンプラニーリョ (Tempranillo)
- トウリガ・ナシオナル (Touriga Nacional)
- ネグロアマーロ (Negro Amaro)
- ネッビオーロ (Nebbilo)
- ノヴァック (Novac)
- ピノタージュ (Pinotage)
- ピノ・ノワール (Pinot Noir)
- フェテアスカネグラ (Fetesca Neagra)
- プティ・ヴェルド (Petit Verdot)
- ブラッククイーン (Black Queen)
- ボナルダ (Bonarda)
- ボバル (Bobal)
- マスカット・ベーリー A (Muscat Bailey-A)
- マルベック (Malbec)
- ムールヴェードル
- メルロ (Merlot)
- ヤマソーヴィニヨン
- 白ワイン用ブドウ品種
- アイレン (Airen)
- アリント (Arinto)
- ヴィオニエ (Viognier)
- ヴェルメンティーノ (Vermentino)
- グレカニコ (Grecanico)
- ゲヴュルツトラミネール (Gewurztraminer)
- 甲州 (Koshu)
- コロンバール (Colombard)
- シャルドネ (Chardonnay)
- シュナン・ブラン (Chein Blanc)
- シルヴァネール (Sylvaner)
- セアラ・ノヴァ
- セミヨン (Semillon)
- ソーヴィニヨン・ブラン (Sauvignon Blanc)
- トラジャドゥーラ (Trajadula)
- トレッビアーノ (Trebbiano)
- トロンテス (Torrontes)
- ピノ・グリ (Pinot Gris)
- フェルナン・ピレス
- マルヴァジーア (Malvasia)
- ミュスカ(マスカット) (Muscat)
- ミュスカデ (Muscadet)
- ミュラー・トゥルガウ (Muller Thurgau)
- リースリング (Riesling)
- ルーサンヌ/マルサンヌ (Rousanne / Marsanne)
- レブラ (Rebula)
- ロウレイロ (Loureiro)
- 更新履歴
赤ワイン用ブドウ品種
赤ワインに使われるブドウ品種は,黒みがかった紫色の果皮をもち,黒ブドウと呼ばれる。
この果皮から抽出された色素が赤ワインの美しい色となる。
カベルネ・ソーヴィニヨン (Cabernet Sauvignon)
「黒ブドウの王様」とも呼ばれ,世界中で栽培されている代表的品種(栽培面積 世界第1位)。
重厚で長期熟成に耐えるワインを生む。ボルドーではエレガントな味わいに,カリフォルニアなどの新世界ではパワフルな味わいとなる。
カベルネ・ソーヴィニヨンは非常に濃厚で主張が強いワインであるため,薄味で繊細な食品と合わせると,食品のほうが味が分からなくなってしまうことになる。
ステーキや重いバターソースのような脂っこい料理をカベルネ・ソーヴィニヨンに合わせると,タンニンが中和され,フルーティーさがより感じられるようになる。
一方,カベルネ・ソーヴィニヨンは辛いものと合わないことが多い。その理由は,トウガラシなどに含まれるカプサイシンの辛みはアルコールにより強まり,その辛みがタンニンの渋味を強調するからである。
カベルネ・フラン (Cabernet Franc)
ボルドーにおいては,カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどとブレンドされることが多いブドウ品種。
酸味が中心でしなやかな渋みをもつスムーズなワインとなる。
ガメイ (Gamay)
ブルゴーニュのボージョレを代表するブドウ品種。ヌーヴォが有名。
フルーティな早飲みタイプのイメージが強いが,芳醇な味わいのワインも生み出す。
カリニャン (Cariena)
カリニャンはスペインのアンゴラ州カリニェナを原産とする赤ワイン用の黒ブドウである。スペイン リオハ州では マスエロ (Mazuelo) と呼ばれている。
乾燥した温暖な気候を好む晩熟のブドウ品種で,現在は主にフランス ランドック・ルーション,イタリア サルデーニャ,スペイン リオハやカタルーニャで栽培されている。
カリニャンの最大の特徴は生産性の高さで,各国の原産地法で定められる一般的な収穫量の上限 50 ~ 100 hl/ha 前後に対して,200 hl/ha といわれるほどである。
ワインの質より量が求められた時代,その収穫量の多さから,20 世紀の終わりにメルロにとって代わられるまで,フランスの品種別栽培面積 第1位になったこともある。収穫量こそ多いものの,ブドウの房と樹の結びつきが強く,機械収穫することが難しいという困った特徴ももっている。
味わいは強靭な渋みと酸味があり,単一でワインにするには厳しいため,多くはグルナッシュやシラーなどとブレンドされ,ワインに骨格を与える役割を担う。高樹齢になったカリニャンは自然と収穫量も減り,暴れん坊で個性的な味わいも落ち着き,高品質のブドウを実らせる。近年は,このような高樹齢のカリニャンから熟成にも耐え得る高品質なワインが造られ,注目を集めている。
ガルナッチャ (Garnacha) またはグルナッシュ (Grenache)
スペインではガルナッチャ,フランスやニューワールドではグルナッシュ,イタリアのサルデーニャ島ではカンノナウと呼ばれる。
晩熟で長い育成期間を必要とするので,暖かいエリアで栽培されるブドウである。糖度が非常に上がりやすいのが特徴で,多くの場合,アルコール度数が高くなる。
スペインのアラゴン地方が原産地と言われ,そこから地中海伝いに広がっていったと考えられる。突然変異しやすいブドウの一つで,黒い皮のもの以外に白色の皮(グルナッシュ・ブラン)やピンク色の皮(グルナッシュ・グリ)のものも存在する。
カルメネール (Car,emere)
カルメネールは,フランスのボルドー地方原産の赤ワイン用のブドウ品種。しかし,現在はフランスでカルメネールの栽培はあまり見られず,主にチリで栽培されている。
カルメネールの語源であるカルミネ (Carmine) が「真紅色の」という意味である通り,このブドウの一番の特徴は色素の濃さにある。成熟してから収穫すると非常に凝縮したブドウとなり,果実味のあるワインが造られる。
機構の良いチリで太陽の光を十分に浴びて育ったカルメネールからは,色合い,風味のいずれも濃厚なワインが生まれる。ブラックベリー系の香り,チョコレートやコーヒーのような香り,そして黒胡椒のようなスパイスのニュアンスを感じられる。
酸味は控えめで,タンニンはカベルネ・ソーヴィニヨンと比べると穏やかで柔らかく,口当たりが滑らかなので,渋味の強い赤ワインが苦手という方でも飲みやすい。
コンコード (Concord)
コンコード (Concord) は,アメリカ原産の品種。アメリカではワインとして醸造されるより,ジャムやジュースや生食として親しまれている。
日本で栽培されるコンコードはほとんどワインとなり,極甘口から辛口まで非常に幅広い味わいのワインが造られている。
コンコードは,とても香り高い品種で,コンコードから造られるワインは,フルーティーな香りで,渋みが少なく,とても飲みやすいワインが多い。
サペラヴィ (Saperavi)
サペラヴィ (Saperavi) は,とても古い品種でジョージア全土で広く栽培されているが,主要産地はカヘティ地方である。ジョージア語で「染める,着色する」を意味するサペラヴィは晩熟で寒さに強い品種。果肉は赤く,アントシアニンが多量に含まれているため,ワインは濃い色調となる。
酸味が高く,タンニンが豊富なので,熟成能力のある高品質なワインが生まれる。黒系果実を主体に,リコリス(甘草),スパイス,チョコレート,タバコ等の香りがあり,テロワールをよく反映する。
冷涼で山がちな場所では,赤系果実の香りが支配的になり,よりエレガントなワインに。温かい場所では,黒系果実や肉の風味が現われ,アルコール度数も高くなる。
近年,日本でも育てられ始め,注目を浴びている品種である。
サンジョヴェーゼ (Sangiovese)
キアンティ・クラッシコをはじめ,多くの有名ワインを生み出すイタリアの代表品種。イタリア中西部トスカーナ州で多く造られ,イタリアで一番栽培されている。デイリーワインから長期熟成の高級ワインまで実に様々なワインが造られる。
サンジョヴェーゼは「ジュピターの血」という意味で,古代に起源を発し,古代ローマのエストリア人にも馴染みのある歴史深い品種である。サンジョヴェーゼは,突然変異しやすいブドウで,多くのクローンが存在し,大きく分けてサンジョヴェーゼ・グロッソとサンジョヴェーゼ・ピッコロの二つに分類される。グロッソは粒が大きく果皮が厚いブドウ,ピッコロは粒の小さいブドウである。
サンジョヴェーゼのワインは,明るく透明感のある赤紫色から,非常に濃いルビー色まで様々な色合いがある。強い酸味とやや強い渋味が特徴的で,イチゴ,サクランボ,プラムなどのフレッシュな果実香に,スミレのフローラル香やスパイス香も感じられる。
長期熟成に耐えるワインが造られ,時間の経過とともに成熟していく深みがあり,熟成したサンジョヴェーゼは,酸味が薄くなり,タンニンがまろやかになる。
生育においては,成熟が遅いため,暑い年には濃厚でアルコール分が高く長期熟成に耐えうるワインになり,冷涼な年には酸とタンニンが強くなる傾向がある。
サンソー
サンソーは地中海沿岸で広く栽培される黒ブドウ品種で,乾燥に強く温暖な気候を好む。房がしっかりしており,機械での収穫に向き,果実も大きく収量が多い経済的な品種である。そのため,古くから世界中で栽培されていた。
十分なサンソーの香りを引き出すには収量を制限することが重要で,近年は他のブドウ品種に植え替えられることもあり,栽培面積は減少しつつある。
現在は主にフランス ランドック・ルーション,プロヴァンス,コルシカ島,チリや南アフリカで栽培されている。
南フランスではブレンドの補助品種として味に複雑味を出すために重宝されている一方で,南アフリカなどのニューワールドでは,高樹齢のサンソーから高品質なワインが生産され,注目を集めている。
サンソーは果皮が薄いためタンニンが少なく,しっかりとした酸が特徴で,造られるワインはラズベリーやザクロなどのフレッシュな果実の香りがする。
また,ロゼワインや赤ワインにブレンドされ,ワインに酸味と赤系果実の香りをもたらす役割がある。
シラー(シラーズ)(Shrah / Shiraz)
シラーはフランス コート・デュ・ローヌ地方原産の黒ブドウ品種で,現在では世界中で生産されている国際品種。モンドゥーズ・ブランシェ (Mondeuse Blanche) とデュレーザ (Dureza) というブドウが畑で自然交配を起こしたことが誕生のきかっけとされている。品種自体に強い個性がありながらも,産地の特色を色濃く反映したワインに仕上がる。現在では原産国であるフランスのみならず,オーストラリアをはじめ世界中で人気があり,デイリーワインから最高級ワインまで様々なワインが仕立てられている個性派の品種。
シラーの実は小粒で果皮が厚く,青みがかった濃い紫色をしている。そのためシラーから造られるワインは一般的に色が濃く,ボディがしっかりとして,豊富なタンニンを持つのが特徴。その豊富なタンニンゆえに長熟可能なポテンシャルを持つワインが生み出される。ちなみにシラーの語源は「長時間」を意味するインド・ヨーロッパ言語の ser- である。
香りはフルーティーかつスパイシーで,ブラックチェリー,プラム,ユーカリ,甘草,黒コショウなど多くの要素を含み独創性に富む。
味わいは黒いベリー系の果実味,スパイシーさや豊富なタンニンといったブドウ本来が持つ個性がはっきりと表現され,飲むだけでシラーと分かるほど,強い個性を持ったブドウである。
主にオーストラリアで「シラーズ」の呼び方が使われる。
ジンファンデル (Zinfandel)
カリフォルニアを代表する品種。濃厚な果実味とインパクトのある味わいのパワフルな赤ワインとなる。
テンプラニーリョ (Tempranillo)
スペインを代表する固有品種。スペインと隣国ポルトガルで栽培される。
多くの別名をもつブドウで,スペインでは,ティント・フィノ,ティント・デル・パイス,センシベル,ウル・デ・リェブレなどと呼ばれる。ポルトガルではアラゴネス,ティンタ・ロリスという名前で呼ばれる。
粒は小さく果皮は薄めで房はやや大きめ。テンプラニーリョの語源は「早熟な」と言われており,同じエリアのその他のブドウ(ガルナッチャ等)よりも早く熟する。
酸は適度にあり,タンニンも滑らかながら量は十分。繊細で華やかな香りを持つ品種といわれる。
トウリガ・ナシオナル (Touriga Nacional)
トウリガ・ナシオナル (Touriga Nacional) は,ポルトガルの最高級の赤ブドウ品種であり,ピノ・ノワール,カベルネ・ソーヴィニヨン,ネッビオーロなどと並ぶ品種の一つである。
ポルトガルの北部のダン,ドウロのどちらかが原産地で,どちらかは決着がついていない。
ブドウは皮が厚く,色とタンニンが豊富にあり,これによって骨格の優れたワインとなり超熟を可能にする。香りも卓越しており,熟したブラックカラントやラズベリーとベリー系の香りに加え,ハーブやカンゾウなどの複雑な風味を持ち合わせている。
収量は決して多くはないが,その品質により注目されている品種である。
ネグロアマーロ (Negro Amaro)
南イタリアの土着品種。ネグロは黒,アマーロは苦いを意味して名づけられたと説明されることは多いが,諸説ある模様。
ネグロアローマで造られたワインは「濃くて,甘くて,タンニンもたっぷり」といった感じ。分厚い果皮に含まれる圧倒的な色素で,ワインの色は漆黒,カシス,ブラックチェリー,ドライプラムなど黒っぽいフルーツのイメージと,チョコレートやスパイスのニュアンスが強く主張してくる。
ボリューム感のある果実味と豊富なタンニンで,ネグロアローマのワインはパワフルな印象。南イタリアの強烈な太陽に照らされた真っ黒なワインは,日本人がイタリア人に対して持っている陽性なイメージをそのまま閉じ込めたようなブドウ品種。
ネッビオーロ (Nebbilo)
北イタリア,ピエモンテ産でイタリアを代表するワイン,バローロ,バルバレスコを生み出すブドウ品種。
ノヴァック (Novac)
ノヴァック (Novac) はルーマニアの土着品種。ルーマニアのネグル・ヴァルトス種とジョージアのサペラヴィ種の交配によってドラガシャニ研究所で誕生した。
メルロよりもブドウの収穫が遅く,日差しの強い温かい産地に適している。
ノヴァック種で造られたワインは濃いめのルビー色を持ち,フルボディで,しっかりとした酸とタンニンを持つ。樽熟成と瓶内熟成に適し,高いポテンシャルを持つ。
カベルネ・ソーヴィニヨンに近いが,ブドウの果皮だけでなく果肉も赤色である。
ピノタージュ (Pinotage)
ピノ・ノワールとサンソーを掛け合わせた南アフリカを代表する独自の交配品種(1925 年,ステレンボッシュ大学のブドウ栽培学の教授であったアブラハム・アイザック・ぺロード教授が,大学内にあった自宅の庭に植えたのが始まり)。サンソーは南アフリカでエルミタージュと呼ばれていたことから,ピノ・ノワールのピノとエルミタージュのタージュをとってピノタージュと名づけられた。
ピノタージュは頑丈で病害にも強いため栽培しやすく,比較的容易に高い糖度が得られる。
最も有名な産地は南アフリカの西ケープ州。穏やかな地中海性気候であり,春から夏に冷涼で乾燥した風が吹くため,防虫剤や防カビ剤の使用を最小限に抑えることができ,非常に両立なピノタージュが栽培されている。
ピノ・ノワールとシラーを足して 2 で割ったようなスムーズで力強い味わいが特徴。
南アフリカにはインド,マレーシア,インドネシア系の移民が多く住んでおり,彼らの本国の香辛料を多用した料理がよく食べられていることから,ピノタージュはスパイシーな料理によく合うと言われている。
ピノ・ノワール (Pinot Noir)
ブルゴーニュで数々の高名なワインを生み出すブドウ品種。世界各地でも栽培されており,テロワールを反映しやすい。名称の由来はフランス語のマツ (pin) と黒 (noir) であるとされ,名称にマツが含まれるのは,このブドウの果房が密着粒で松かさのような形状をしていることを示す。
明るく澄んだルビー色のワインとなる。風味は,皮が薄いためタンニンは少な目で,若いうちはフランボワーズやチェリーのような華やかな果実味がある。熟成が進むと,葉巻やコーヒーといった植物的な香りに加え,なめし皮のような動物的な香りを増すのが魅力の一つである。
ブルゴーニュのコート・ドールで産出されるロマネ・コンティは,ピノ・ノワールの単一品種であり,世界で最も高値で取引されるワインとして知られる。
『ヴィニティ・フェア』誌のジョエル・フライシュマンは,ピノ・ノワールのワインを評して,次のように述べている。
ワインの中で最もロマンティックであり,極めて官能的な芳香,とてもゆったりとして魅惑的なエッジ,そして活き活きとした力強さをもつため,あたかも恋に落ちたかのように,体を流れる血は厚くなり,魂は恥ずかしいくらいに詞的な輝きを放つ。
フェテアスカネグラ (Fetesca Neagra)
フェテアスカネアグラは「黒い乙女」を意味するルーマニア語で,土着のブドウ品種である。繊細なプラムとスパイスのニュアンスがあるアロマ,エレガントなルーマニア産赤ワインである。
プティ・ヴェルド (Petit Verdot)
プティ・ヴェルドは,赤ワイン用のブドウ品種であり,主にボルドーワインの伝統的なブレンドに用いられる。ボルドーで栽培される他の品種と比べて熟すのがはるかに遅く,時には生育が遅すぎるあまり,風味を損ねることさえボルドーでは起こりうる。十分に熟すと,少量のブレンドでタンニンと色,ブラックチェリーやプラム,すみれなどの香りをワインに加えることができる。
ブラッククイーン (Black Queen)
1927 年,川上善兵衛氏がベイリー種とゴールデン・クイーン種を交配して誕生した赤ワイン用の黒ブドウ品種。非常に濃い紫色が特徴。味わいは豊かな酸味,しっかりとしたタンニン(渋み)で,ボリューム感のある辛口赤ワインになりやすい。香りは控えめだが,樽熟成でスパイシーな熟成香が調和し,複雑さが増す。
ブラッククイーンの特徴である酸味,渋み,ボリューム感から,
- すき焼き・肉じゃがなどの甘辛い和食
- 山椒などスパイスの効いた料理
- 焼き鳥(タレ)や煮込み料理
など,濃い味付けの料理と相性が良いとされている。
ボナルダ (Bonarda)
アルゼンチン,北イタリアで主に栽培されている赤ワイン用の品種。
アルゼンチンでは主要な品種となっており,主にメンドーサで栽培されている。ボナルダを用いて,アルゼンチンでは果実味豊かなお手頃なワインが作られている。
ボバル (Bobal)
ボバルは,スペイン南東部バレンシア州ウティエル・レケナ原産のブドウ品種である。スペインでは,アイレン(白ブドウ),テンプラニーリョ(黒ブドウ),ガルナッチャ(黒ブドウ)に次いで 4 番目の栽培面積を誇る。
ボバルは色素が濃く,酸味が強いことからその多くがマイナーなブレンド品種として使用されてきた。さらにボバルのブドウ樹は,不均一に熟すという特性があるため,注意深く栽培する必要があった。
しかし,最高の状態を保つことができれば,ボバルワインはアルコール度数が少なくても,バランスの取れた酸味をもつ,滑らかでシルキーなワインに仕上がる。
ボバルワインは,チェリーのような赤系ベリーからプラム,ブルーベリー,プルーンなどの青系ベリーまで,大変豊かな果実味を感じられることが特徴である。フランスの古典的な赤ワインにあるスモーキーさや,チョコレートやドライベリーなど非常に繊細なフレーバを持ち,絹のように滑らかでシルキーな口当たり。
ボバルワインは,複雑さと上品なタンニンを備えた非常にポテンシャルの高いワインとして認められている。また,ボバルの濃い色と赤系果実の香りは,ロゼワインの生産にも適している。
マスカット・ベーリー A (Muscat Bailey-A)
新潟県初のワイナリー,岩の原葡萄園の創設者である川上善兵衛が,1927 年にアメリカ系ブドウ品種のベリー種 (Bai-lay) とヨーロッパ系ブドウ品種のマスカット・ハンブルグ種 (Muscat Hamburgh) の交雑育種で生み出したブドウ。
醸造用だけでなく生食用も兼ねているなど,日本人にとって馴染み深いブドウ品種として知られ,濃厚なフルーツフレーヴァを持つ。
マスカット・ベーリー A から造られるワインはライトボディからミディアムボディまで幅広く,タンニン量が少なく軽やかな味わいに仕上げられるため,樽熟成をさせない早飲みタイプが多く見受けられる。そのため,繊細な和食との相性が良いといわれている。
マスカット・ベーリー A がよく合う料理のひとつは,焼き鳥(タレ)である。
2013 年に O. I. V. (Office International de la vigne et du vin,国際ブドウ・ワイン機構) に品種名が登録され,日本において注目品種となっている。
マルベック (Malbec)
フランスと新世界で特徴が大きく異なる品種。フランスでは別名「黒いワイン」と呼ばれ,シャープで濃厚な味わいに。9 割を占めるアルゼンチンをはじめ,新世界ではフルーティな果実味豊かなワインになる。
ムールヴェードル
ムールヴェードルは,世界の多くの地域で栽培されている赤ワイン用のブドウ品種(黒ブドウ)。
その起源はスペイン・バレンシア地方の「ムルビエドロ」という場所が,この品種の由来と言われ,現在はアリカンテ,バレンシア,フミーリャなど,スペインの南東部の地中海岸地域が主な産地となっている。
この品種を使ったワインは,ベリー系果実を濃厚に感じとれる。非常に暑い地域で育った果実は,その強い日照により果実の段階で既に「火が入っている」ようなイメージを呈している。
地域によってはマタロー,モナストレルなどとも呼ばれる。
メルロ (Merlot)
「ビロードのような舌触り」とも表現される,滑らかさをもち,渋みもやわらかい。
カベルネ・ソーヴィニヨンと並んでボルドーを代表する品種。世界各地でもハイクオリティのワインが生まれている(栽培面積 世界第2位)。
ブルーベリーやプラムなどの果実味が豊富で,酸やタンニンは,カベルネ・ソーヴィニヨンよりも少ない。そのため「ビロードのような」と表現される,非常に口当たりのよいなめらかなワインに仕上がる。
まるみのある,ふくよかな味わいのメルロには,まろやかな味付けの肉料理,例えばハンバーグなど柔らかく仕上げた料理がよく合う。
ヤマソーヴィニヨン
「ヤマソーヴィニヨン種」は,日本国内に自生している山葡萄と欧州系品種の代表格である「カベルネ・ソーヴィニヨン種」を交配し,品種改良した日本固有のブドウである。
能登の気候風土に適しており,色は青紫の濃い色調で,しっかりとした酸味,完熟した果実風味も感じられ飲み応えがある。
山葡萄に由来する野性的な香りと,どこか日本の原風景を彷彿とさせる素朴さ,それでいて骨格のしっかりとした味わいのワインになる。
白ワイン用ブドウ品種
アイレン (Airen)
アイレン (Airen) は,スペイン原産の白ブドウ品種で,世界でも栽培面積が広い品種の一つ。
特にスペインのカスティーリャ=ラ・マンチャ州で広く栽培されており,スペイン国内のブドウ畑の約 30 % を占めている。
淡い色合いで,バナナやパイナップル,グレープフルーツのような果実の香りがほのかに感じられます。辛口で軽快な飲み口。酸味は中程度から少な目で,アルコール度数は比較的高めである。
白ワインのほか,ブランデーの原料としても使用されることが多い。
アリント (Arinto)
ポルトガル全土にわたり栽培されている品種。ヴィーニョ・ヴェルデ地方ではペデルナンという名前で呼ばれることもある。
爽やかな酸味と,多くの場合ミネラル感が得ちゅで,ワインにいきいきとした印象を与える品種である。リンゴ,ライム,レモンなどを連想させる。
熟成も可能だが,若く飲むととても美味しい品種。気温の高い地方でも,酸が豊かなので,アレンテージョやリバテージョなどの地方では酸が足りない時にブレンドに使われる。
ヴィオニエ (Viognier)
ヴィオニエ (Viognier) は,華やかな香りと豊かな果実味で知られる白ブドウの品種で,ワイン愛好家の間では “香りの女王” とも称されるほど魅力的な存在である。
原産地はフランス・ローヌ地方北部(特にコンドリューとシャトー・グリエ)。
香りは白桃,アプリコット,ライチ,ジャスミン,キンモクセイなどのフローラル&フルーティなアロマ。
ふくよかでリッチな果実味。酸味は穏やかでオイリーな質感。後味に白胡椒やジンジャーのようなスパイス感が出ることもある。
やや濃いイエローで粘性が強め。
ヴェルメンティーノ (Vermentino)
ヴェルメンティーノ(Vermentino)は、イタリアやフランスの地中海沿岸地域で栽培される白ブドウ品種です。特にイタリアのサルデーニャ島やリグーリア州、フランスのコルシカ島で広く栽培されており、爽やかでフルーティーな白ワインを生み出します。
グレカニコ (Grecanico)
グレカニコ(Grecanico)は、イタリア・シチリア島の土着品種で、白ワイン用のブドウとして知られています。シチリアの温暖な気候に適応し、果実味の豊かさと爽やかな酸味を兼ね備えたワインを生み出します。
グレカニコは、シチリアの伝統的なワイン造りに欠かせない品種であり、地元の料理とのマリアージュを楽しむのに最適です。
ゲヴュルツトラミネール (Gewurztraminer)
華やかなライチの香りで,すぐにゲヴィルトラミネールのワインだと判別できるほどのはっきりとした個性をもつ。
極甘口のデザートワインを除き,早飲みタイプが多い。
甲州 (Koshu)
日本を代表する土着品種。
2010年,甲州は O. I. V. に品種登録された。これをきっかけに,日本ワインの海外進出が目覚ましい。
コロンバール (Colombard)
コロンバールは,フランス原産の白ワイン用ブドウ品種である。シュナン・ブランとグエ・ブランの子孫とされる。
フランスではシャラント県とガスコーニュで伝統的に栽培され,それぞれコニャックとアルマニャックの生産に用いられる。
今日では,ボルドーの白ワインおよびガスコーニュのヴァン・ド・ペイ・コート・ド・ガスコーニュとフロック・ド・ガスコーニュにも使用が許可される。
明瞭なグアバの香りを有することで知られる。
シャルドネ (Chardonnay)
「白ブドウの女王」とも呼ばれ,世界中で栽培されている代表品種(栽培面積 世界第5位)。
品種による香りはおとなしい。近年は樽を使わずステンレスやコンクリートのタンクによる熟成で,より自然な味わいのものも増えている。
シュナン・ブラン (Chein Blanc)
辛口から遅摘みや貴腐による甘口まであり,辛口でも蜂蜜のような甘い花の香りとフルーツフレーヴァ―により,余韻に甘味を感じる味わいとなる。
シルヴァネール (Sylvaner)
ドイツのフランケン地方の辛口白ワインが有名。
セアラ・ノヴァ
セアラ・ノヴァはディアガルヴェとフェルナォン・ピレシュの交配により生まれた品種。
ピコ島に多くみられるリオ・グランデは近縁種にあたる。
セミヨン (Semillon)
ボルドーのソーテルヌやグラーヴの主要品種で,貴腐ワインの原料としても有名。
ソーヴィニヨン・ブラン (Sauvignon Blanc)
青みを帯びた香りが特徴だが,温暖な産地では,リンゴや洋梨の甘酸っぱい香りに,さらに温暖になるとトロピカルフルーツの香りが出てくる。
トラジャドゥーラ (Trajadula)
ポルトガル ヴィーニョ・ヴェルデの北部で栽培されるトラジャドゥーラは,ヴィーニョ・ヴェルデで栽培されている他の品種より酸度が低く,アルコール度数が高いワインとなる。
近代的な方法と経験を駆使して栽培したブドウであっても,過剰な酸味と低アルコールが問題になるこの涼しく湿った産地には欠かせないブレンドに適した品種である。
この品種は香りが豊かで,桃,アプリコット,リンゴ,熟した洋ナシの優しい風味とオレンジの花の心地良い香りが広がる。
多くはアルヴァリーニョ,ロウレイロ,アリントなどとブレンドされることが一般的である。
生育サイクルが長く,ブドウが熟すのに時間がかかり,イエローグリーンカラーで凝縮したミディアムサイズの房になる。
トレッビアーノ (Trebbiano)
トレッビアーノ (Trebbiano) は,イタリアとフランスを中心に,世界各地で栽培されている。コニャックなどのブランデーの生産に最も適したブドウ品種とされている(涼しい地方ではアルコール度数の少ない貧相なワインになる。それを逆手にとって作られたのが,コニャックなどのブランデーだと言われている)。
ユニ・ブラン (Ugni blanc) やサンテミリオン (St. Emilion) などの別名がある。
酸味が強く非常にフルーティーで,柑橘系などのさやわかな風味がある。
白ワインのほか,ブランデーやバルサミコ酢の原料としても使用される。
トロンテス (Torrontes)
アルゼンチンの主要品種であり,マスカットを親とするアルゼンチンの土着品種。
ピノ・グリ (Pinot Gris)
灰色がかったピンク色の果皮をもつグリ品種。ピノ・ノワールが突然変異でピンク色になった品種なので,濃い色調になりやすい。
フェルナン・ピレス
フェルナン・ピレス(マリア・ゴメス Maria Gomes ともいう)は,ポルトガルで最も栽培量の多い品種の一つで,特にテージョ,リスボン,バイラーダ地方で多く見られる。
非常にアロマティックなのが特徴。レモン,ライム,バラやその他のお花,オレンジなどが感じられる。
若くして飲んだ方が好ましいワインに使われることが多い。
また,モノヴァラエタル,ブレンド,スパークリングワインの主原料,甘いワインなど,用途が多様なものも特徴の一つである。
霜害に弱いため一般的には暖かい気候に適し,肥沃な土壌での栽培に向く,収量が高い品種である。
ポルトガル以外では,南アフリカ,オーストラリアでもある程度,栽培されている。
マルヴァジーア (Malvasia)
マルヴァジーア (Malvasia) は,地中海地域,バレアレス諸島,カナリア諸島,マデイラ島で歴史的に栽培されてきた複数のワイン用ブドウ品種を一括りにした名称であり,現在では世界中のワイン生産地域の多くで栽培されている。
ミュスカ(マスカット) (Muscat)
ムスクの香りを持つブドウの総称で,世界中に多くの親戚品種がある。アロマティックで早飲みタイプが多い。
生食用としても世界中で栽培されている。
ミュスカデ (Muscadet)
シュール・リーが行われることが多く,イーストの香りはこの製法によるもの。
ミュラー・トゥルガウ (Muller Thurgau)
ミュラー・トゥルガウ (Muller Thurgau) は,1882 年にスイス人植物学者のヘルマン・ミュラー氏によって開発された交配種で,ドイツではリースリング種と共に白ブドウのトップの生産量を誇る白ワイン品種。気候や土壌に対する順応性が高いため,世界の様々な産地で栽培されている。
青リンゴや柑橘系の爽やかなアロマが特徴で,辛口から甘口まで多様な種類のワインを生み出す。
比較的若いうちに飲まれ,一部の例外を除いて熟成には不向きのため,デイリーワインとして人気である。
リースリング (Riesling)
酸味と甘味,果実味のバランスが味わいの決め手となる品種。シャルドネと並び,偉大なワインを生む高貴なブドウ品種として知られる。
ドライな辛口からスパークリング,濃密な甘口,貴腐ワインまで味わいの幅が広い点が魅力。
その透明感溢れる優美な味わいでワイン愛好家達の人気を集めるリースリングは,世界中で広く栽培されているシャルドネに対し,限られた冷涼な土地でしか,その本領を発揮しないという気難しい一面も併せ持つ(具体的には,ワインの特徴が,リースリングの産地のテロワールに極めて強く影響される)。
ドイツやドイツに隣接しているフランス北東部のアルザス地方が 2 大産地。
ルーサンヌ/マルサンヌ (Rousanne / Marsanne)
コート・デュ・ローヌの主要品種。
レブラ (Rebula)
レブラ (Rebula) は,スロベニアやイタリア北東部で栽培されている白ワイン用の土着品種で,イタリアでは「リボッラ・ジャッラ (Ribolla Gialla)」として知られている。
- 小粒で密集した果房
- 果皮は淡い黄色で斑点がある
- 酸味が強く,花の香りを持つライトボディのワインになりやすい
- 熟成によってナッツのような風味を出ることもある
この品種は,スロベニアのテロワールと造り手の哲学が色濃く反映されるため,ワイン好きにはたまらない魅力がある。
ロウレイロ (Loureiro)
ロウレイロ (Loureiro) は,ポルトガルの北部が原産の白ブドウ。主に,ミーニョ川流域に広がるブドウ栽培地帯ヴィーニョ・ヴェルデで使われている。
ポルトガル語で「月桂樹」という意味である通り,月桂樹の花やオレンジの花の香りに似ていると言われる。リンゴや桃といった果実を思わせるような豊かなワインが作られることが多い。爽やかでバランスのとれた酸も特徴的。
伝統的には,アリント,アルヴァリーニョ,トラジャドゥーラとブレンドされることが多かった。
更新履歴
- 2024年10月26日 新規作成
- 2024年10月30日 トレッビアーノを追加
- 2024年11月10日 カリニャン,サンソーを追加
- 2024年11月17日 ネグロアマーロを追加
- 2024年11月23日 ボバルを追加
- 2024年11月24日 サンジョヴェーゼの説明を加筆
- 2025年1月11日 ヤマソーヴィニヨンを追加
- 2025年2月3日 ミュラー・トゥルガウを追加
- 2025年2月5日 ボナルダを追加
- 2025年2月10日 サペラヴィを追加
- 2025年2月23日 プティ・ヴェルドを追加
- 2025年4月6日 アリント,トラジャドゥーラを追加
- 2025年4月19日 コンコードを追加
- 2025年4月20日 トウリガ・ナシオナルを追加
- 2025年5月2日 カルメネールを追加
- 2025年5月10日 ムールヴェードルを追加
- 2025年5月22日 コロンバールを追加
- 2025年6月1日 セアラ・ノヴァ,フェルナン・ピレス,マルヴァジーアを追加
- 2025年6月6日 ヴェルメンティーノ,グレカニコを追加
- 2025年6月15日 アイレンを追加
- 2025年7月12日 レブラを追加
- 2025年12月31日 ブラッククイーンを追加